歯科医院のレセプトをサポートする八木屋のブログ

乙武氏 vs GANZO高田氏に思うこと。

皆様、こんにちは! 歯科医院をサポートする八木屋です!
既に皆様ご承知のように、Netでは「乙武さんの入店拒否」が騒がしい展開のようですね。
ことの発端は「TRATTORIA GANZO」を予約した乙武さんが、高田シェフに車椅子を理由に入店拒否され、その一部始終を「Twitter」で実名を挙げて批判したことから炎上案件に発展したようです。
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で、お店側を批判する「乙武氏率いる60万人の大軍勢(フォロワー)」対、入店拒否した「GANZO 高田シェフ」の戦いですが…。
事の善悪はともかくも、双方が真摯に顔を見合わせて事に当たっていれば炎上騒ぎには発展しなかったと思います。
周知のごとく、乙武さんは身体的ハンディキャップをものとせず活躍されている立派な方だし、一方の高田シェフも料理の腕を磨き自分のお店を人気店に育てた立派な事業者でしょう。
ある意味双方が成功者であり、人から追いかけられる立場であるから、この件は当事者同士がじっくり話し合って解決すれば良いものを、入店を拒否された乙武さんが悔しさのあまり&お店側の対応のまずさによって、Twitter発の大炎上につながってしまいました。
身体的ハンディキャップを持っている弱者乙武さんではありますが、見方を変えるとフォロワー60万人超の立派な社会的強者であり、高田シェフのフォロワー数2,400人超から見れば自ずと影響力も違い、ともすると高田シェフの手落ちばかりがクローズアップされてしまいがちですが、このような当事者同士しか解らない案件はリアルな現場で直接解決して欲しいものです。
で、双方の言い分に対する評価ですが…、「こちら」と「こちら」等をご参照頂き、ブログ読者の方のご判断に委ねたいと思います。
さて、この件をブログに取り上げたのは、同様の場面が歯科医療の現場でも起こりうる可能性もあるので、以下に今回を通じたミスの処理に対する基本を書いてみます。
そもそもミス自体起こらないように最善の対策等を講じておくべきですが、医療も人が行う以上ミスは発生します。そのミスに対して真摯に向き合えるか?の度合いによって、ミスは当事者同士も思わぬ方向に発展してしまいます。
ミスの拡大要因は、乙武氏VS高田氏にみる「入店拒否の直接的な理由」が原因と言うよりも、当事者間の事後の振る舞い(Twitterを介した発信や店側の言動)にて起こる“セカンドインパクト”によるものが主流でしょう。
ミスやクレームの直接の原因について真摯に説明し理解を得れるように努力すれば大騒ぎになるケースは稀で、原因の隠蔽や軽減を図ったり、自己保身から歪んだ主張を繰り広げてしまう事で、そのクレームは収集が難しくなります。
ましてや今回のように「善意の第三者」が加担すると、本人達も思ってもみない展開となり…、きっと、双方が受けるダメージは直接的原因の数倍や数十倍に膨らんでしまいます。
歯科医療は正解が複数存在する選択の科学なのに加え、患者様は専門的知識を保有していないので、双方の間には情報の非対称性も存在します。
従って、医療機関側によるミスが発生した場合、医療機関側が取れる最善の策は「事の推移を正直に時系列にまとめて説明し、お詫びする!」しか有りません。
「患者さんにはきっと解らないだろう!」とか「黙っていればバレないさ!」など、軽率な保身行動はかえって医療機関の信用を失墜させてしまいます。
ミスやクレーム処理に大切なのは、相手の主張に耳を傾け、その主張を記録して出来ること、出来ない事に分類し、相手が納得する迄じっくり協議を続けて行くしか解決にはつながりません。クレーマーのたぐいならいざ知らず、まともな人々は謝罪の念と事後の対応策を明確にし続ければ、やがて理解を示してくれます。起こってしまったミスの歴史は消えませんが、しかし、ミスに向き合う以外に自医院を守る方法はないのです。
今回のように、ネット等で戦線を拡大した所で、双方失う物も大きいと思います。万が一ミスが発生してしまったら、正直に事後の対応に当たって頂き、くれぐれも“セカンドインパクト”を起こさないように私は願っております。
追記、悪意のクレーマーの対策は医療機関では難しいので専門家に委ねましょうね。