歯科医院のレセプトをサポートする八木屋のブログ

病院に行かない理由は、金欠だから!?

皆様、こんにちは! 歯科医院をサポートする八木屋です!
このニュース読みました…。
長期不調や慢性疾患があると認識しつつも、病院に行かない人が多く存在するのがこの調査でも明らかになったようです。
このニュースは医科のお話ですが、歯科も医科同様「金欠」を理由に受診を抑制する人が一定量いるでしょう。
で、せっかくの機会(?)なので、家計調査から見る歯科医療について書いてみます。
総務省では毎年家計調査を実施しています。家計調査とは、日本国内の家計の支出を通じて個人消費を捉えることができる統計です。国立保健医療科学院の「東京都家計調査における歯科医療費の推移分析」によると、H20年度歯科医療費の「支出弾力性」は1.27、一方医科は1以下となりました。
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支出弾力性とは「支出が1%増加した時にある品目の支出が何%増加するかを表す数値」のことで、1未満を「基礎的品目=必需品」、1以上を「選択的品目=贅沢品」と定義して、家計における支出を分析しています。
この調査結果では、医科医療費は「必需品」であるのに対し、歯科医療費は「贅沢品」と捉えられ、収入の影響を大きく受けると考えられています。
このニュースによると、必需品と分類された医科でさえ金欠等の理由で受診を抑制しているのですから、贅沢品の歯科は…。
歯科疾患は内因菌の感染を原因とすることが多く、口腔健康を維持するには定期的な受診が欠かせません。ましてや年を重ねるごとに定期検診の重要性は高まり通院スパンは縮まります。
このような調査結果を見ると、定期的な通院をする方は金銭的な事情も含め、まだまだ少ないのが実情でしょう。国民皆保健は、全国何処でもあまねく平等に、しかも低負担で医療が受けられる良い制度ではありますが、それでも年に数回は「治療費が高い!」とのご意見を頂くことがあります。
その都度、治療費の内訳や何処の医療機関でも同じ治療費である事をご説明致しますが、きっと、そのご意見の実態は…、経済的な負担感から来るものかも知れません。
2006年兵庫県歯科医師会資料によると、高齢者になり自らの歯を20本以上保つ人は、そうでない人と比べ「医科医療費」が少ないとの調査結果もあります。
一回の治療費数千円程度を惜しんだ結果、見た目も健康も損なっては元の木阿弥です。日々の暮らしは大変でしょうが、「無事之名馬」の格言のごとく、人の幸せは健康な身体で文化的な生活を営むことが原点です。
一人でも多くの方が、歯科医療機関で定期な検診とケアを受けて頂ける事を願っております。